卵子の一生

卵子は、あなたが胎児としてお母さんのお腹にいる時につくられます。

この卵子をつくるのは「卵祖細胞」という細胞で、妊娠初期におよそ700万個もの卵子をつくりますが、早い段階で多くが消失してしまいます。 そして、卵子はその後一切作られません。

700万個の卵子は、胎内で”一人前の卵子” になるまでの成長プロセスをたどります。 そして生殖細胞特有の「減数分裂」の前半を終えて成長がロックされます。

 

あなたも誕生した時には、卵巣に休眠状態の卵子を約20万個持っていたはずです。

さて、一個の首席卵胞が排卵しているその過程で、減数分裂の後半を999個ほどの卵子が競争しながら、成長途中で消えていくのです。

毎月一個の卵が大きくなって排卵され、受精する権利を勝ち取るという競争の陰で、卵巣の中にある卵の在庫はどんどんと減少していくのです。

さて、あなたに残された卵の中に、赤ちゃんを産むことのできるだけの質を持った卵がいくつ残っているのでしょうか?

どうやったらそれを取り出すことができるのでしょうか?そこが問題ですね。

脳下垂体から分泌される卵胞刺激ホルモン(FSH)の刺激によって、卵子は順番に眠りから目を覚まし成熟の過程を再開させます。

月経周期とは無関係に、眠りから覚めて育ちはじめるのですが、減数分裂を進めるうちにどんどん消滅していき、 最終選考に残った約1%(おおよそ10個ほど)の卵子の中から、一番大きく成長したものが排卵されるのです。

年齢を経て40代半ばを過ぎると、卵子がいよいよ少なくなって生理周期を維持できなくなります。

 

卵子の在庫数が1000個を切ると排卵が起こらなくなり、月経周期が不規則になって女性ホルモンの分泌自体も減少します。

卵胞期にエストラジオールを分泌しながら卵を大きくする力が失われて、体外受精での採卵も不可能となって、40代後半に生理も止まってしまい、しばらく後に生殖活動が終了を迎えます。