一度の採卵で、たくさん卵が取れる方がいいですよね?

不妊治療で、体外受精にステップアップする時に調べてみると、採卵時にたくさんの卵が一度に採れる方が、新鮮な卵で体への負担も少なく、治療回数も少ないから良い。

凍結した胚を、その後は移植するだけなので、時間の融通が効くし、治療費も安く済むから得。そんな評価を見かけることがありますね。

通常の不妊治療専門病院でのスタンダードな治療法では、高刺激法から入ることが多い

採卵時の排卵誘発剤の選択や、使用方法は様々ありますが、通常の不妊治療専門病院でのスタンダードな治療法では、高刺激法から入ることが多いと思います。

不妊治療が世界に広まったその基本的な治療法が、強い排卵誘発剤を使って、一度に多くの卵胞を大きく成長させてから採卵し、それらを受精させる。受精した胚を培養して、細胞数がある程度まで増えた状態で凍結する。あるいは分割が良好であれば胚盤胞という移植直前の安定した状態まで持ってき、そこで凍結するという方法です。

凍結胚が複数個あるものを、状態の良い/グレードの良いものから順番に移植していく。複数回の移植で出産できれば、残りの凍結胚を保存しておき、出産後に再度、残りの凍結胚から順番に移植を繰り返し、仮に出産できなければ、新たに採卵を行う。こんな治療の進捗になることが多いのです。

IMG_1565.jpgこの治療で使われる排卵誘発剤には卵胞を大きくして、排卵を誘発する作用があり、その強さや体への効果の出かた、副作用の少なさ、卵巣への負担の少なさなどを計りつつ、個々に選択していくのが、いわゆる「私の体にあった薬を探してもらう」と言われるものなのです。

一度にたくさんの採卵を可能にしている、排卵誘発剤で高刺激を卵巣の卵胞にかけて、自然の状態なら、主席卵胞は1個の場合がほとんどのところを、複数の主席級卵胞を育てて、一度の採卵で沢山の成熟卵を採卵してしまう方法。

これは、卵の在庫がまだたくさん卵巣に残っていて、なおかつ卵の質が良いことが想定される患者さんにとっては、素晴らしい体外受精のスタイルなのです。

不妊治療の専門病院のほとんどがこの方法をベースにしていることも頷けますね。

高刺激系の不妊治療をお勧めできる患者さんの基準を、こんな風に考えています。

  1.  AMHが2〜2.5以上ある方
  2. 年齢が比較的に若い方(38歳未満)
  3. タイミングやAIH(人工授精)で排卵誘発剤を使った経験があるが、体調不良や、子宮、卵巣まわりが炎症したり、水が溜まるなどの症状はなかった方。
  4. 多嚢胞性卵巣的な兆候がない方。
  5. 妊娠はするが8〜9週ほどまででの流産を繰り返しているタイプ(卵の質が悪い方を除く)

「若くて、卵の質が良い人」には、高刺激の体外受精はお勧めです。

一回の採卵で「良い卵がたくさん採れて」、移植も数回のうちに妊娠、出産できる可能性が大いにあります。時間もお金も消耗せずに、早い時期に不妊治療を終えて、お子さんのいる、明るく楽しい家族を作って欲しいなと思います。

すべての方がこんな感じですむなら、不妊治療も明るい面ばかりで良いのですが、このパターンに当てはまらない患者さんの方が実際は多いので、ことは複雑になってゆくのです。

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