あなたも「卵子が老化する」という言葉をよく目にすると思います。
そこで”卵子の老化”とは、具体的に何なのか、最近流行りのミトコンドリアという観点からお話ししますね。
老化した卵子の中では、すべての細胞にある「ミトコンドリア」というエネルギー産生器官に機能の低下が起こります。
良質の糖分からエネルギーを作ってくれるこのミトコンドリアが元気を失うことでエネルギーレベルが低下すると、卵胞内の染色体(DNA)のコピーにも 本数異常などの”転写ミス”が起きやすくなります。
染色体は身体の設計図=遺伝子/DNAで、ヒトの染色体は通常46本ですが、卵子と精子は受精したときに、男性側がその半分の23本と、女性側も半分の23本が互いに分離、合体して46本にする「減数分裂」を行います。
しかし卵子が老化すると、休眠中の卵母細胞が起き出してからの減数分裂の過程に転写のミスが起こりやすくなり、体の設計図に間違いが増えてきます。
間違いのある場所の分割で正常の細胞とは違った組織が作られることから、細胞の分割がストップしてしまって流産になったり、着床すらしないことも多く起こるのです。
染色体の数そのものの本数が違ってしまうこと等で、染色体異常の特徴を持った赤ちゃんの出産となり、せっかく生まれたのに生命を長く維持することが難しかったり、ダウン症の特徴的を持った人生を長く全うする場合など、染色体の配列の違いによって様々な個性を持った命が誕生することになるのです。
「卵子の老化」の影で、エネルギーを作り続けてくれている「ミトコンドリア」が老化するなんて、ミクロの世界でもアンチエイジングがポイントなんですね。