高刺激法での採卵のデメリット(体外受精)

□高刺激法のデメリット

 

体外受精では、その採卵周期にどうやって、準備のできた卵胞を大きくするかという方法が、実は選択できます。

一般には、不妊治療の病院へ行って医師に治療は任せてしまう方も多いので、スタンダードな治療法として、高刺激の排卵誘発剤を使う方法が試されるでしょう。一度にたくさんの採卵をして、それらを培養、凍結した後に、順番に移植を繰り返していく方法です。

凍結胚を何度も移植してみたものの、着床しなかったり、着床はしても数周で妊娠がストップしてしまい流産を繰り返す場合は、新たに採卵から始める事になります。

 

1、採卵をしても移植の回数が増えるばかりで、出産まで行かないことの繰り返しになるような方にとって、高刺激の排卵誘発剤の使用は、卵巣への負担が増える事で「卵巣力のダウン」という副作用が出てしまうことが懸念されるのです。

 

2、だんだん卵巣が疲れてきて、採卵できる卵の数が減ってきてしまう。

 

3、採卵された卵胞の質が落ちてくる(染色体のコピーにミスが増える)ことで、流産の繰り返しになるばかりで、出産に至らない繰り返しという負のスパイラルに陥る。

 

4、一度の採卵で取れた多数の胚を、何度も移植する事で、移植の回数がどんどん増えて高額の費用と時間がかかります。しかもその治療の間にも「卵の老化」が進み、遺伝子(染色体)のコピーミスが増えて「卵の質」が落ちていきます。卵の在庫も減っていきます。

 

5、強い排卵誘発剤を使うと、副作用で“むかつき”や、お腹の張りなどの体調不良を感じる方がいます。

 

6、卵巣自体が疲弊し、AMHが下がり、卵巣の炎症が起こったり、水が腹部に溜まり、FSHの上昇が重なって来る場合があります。さらに遺残している卵胞がD3時でのE2を上昇させるなど、まさに治療を困難にする要素をたくさん誘発してしまうことが問題になっているのです。

 

このように、高刺激法による採卵は、短期で出産してしまう方には非常に有効なのですが、年齢が高くて「卵の質」が悪い方などにとっては、思いもしなかった「負のスパイラル」に自らを追い込んでしまうリスクがあるのです。

 

あなたの卵巣や子宮の状況を知って、その状況を改善できる治療法(病院)を選ぶことの重大さ、大切さを知っていただければ、怖いリスクを回避して「子宝に恵まれる」ための可能性を広げられると思いませんか。