PGTA(不妊治療で耳にする単語)これって、何の意味?

PGTAとは胚(受精卵)の染色体(遺伝子)の検査の名前です。

○着床前染色体異数性検査(PGT―A)

Preimplantation genetic testing for aneuploidy

 

○染色体(人の設計図)の数が、そもそも間違えて転写(コピー)されているものを見つけるのが目的で、染色体の異常がある胚を移植するリスクを軽減します。
○染色体の異常(遺伝子の書き換えミス)は、設計図が間違えているために多くの場合、着床しなかったり、流産になってしまうリスクが大きいのです。
○出産できた場合も、ダウン症などの特徴を持った胎児になることを前もって予測できるのがこの検査法の特徴です。
○流産などのリスクが、染色体レベルで分かっていれば、その胚での移植を前もって避けることが可能になります。
○不妊治療で採卵を繰り返したのに、培養しても凍結に至らなかったり、移植を繰り返しているのに着床さえしなかったり、着床しても流産になってしまうなどの経験を続けている方も多いと思います。

利点としては

○卵巣の老化によるタイムリミットが迫るなか、こういったタイムロスや治療代のロス、掻爬手術などによる痛みや精神的苦痛を避ける一つの方法として有効な手段でもあります。

 

 

弱点は

○PGTAの検査で染色体を解析して、結果問題ないと判別された胚を移植しても、着床さえもしないといったことが普通に起こるという現実です。

○一個の胚を検査するのに10万円近く費用が掛かるのに、移植をしても着床しなかったり、化学流産で終わるのは、経済的にも精神的にも痛いですよね。

○染色体の配列や、数における異常を発見しても尚、染色体異常ではないけれど、着床や出産には至れないという何らかの特性を内包した凍結胚は、実は数限りなく存在しているのです。

 

まとめるとPGTA検査は

○この検査をしたら、質の良い卵を作れるかも!?といった期待に応える方法ではありません。

☆質の良い卵/胚とは=ミスのない遺伝情報を持った胚で、これを作っているのは他でもない、」あなたの卵巣なのです。そして旦那さんの精巣にもしっかり遺伝子をコピーして来てもらうことが必須です。

 

 

PGTA検査が有効な方とは

○採卵すると凍結でき、凍結胚を移植するといつも着床する。それなのに妊娠後6〜9週で心拍が確認出来なかったり、心拍が弱くて次第に止まってしまい流産に至るといた経験を繰り返している方と言えるでしょう。

○そのようなタイプの方には、そこからの痛くて辛い掻爬手術を避けることが出来ますし、次の採卵や移植に向けての3周期ほどの何もできないお休み周期を避けることが出来ます。

年齢が40代に入った方などは、採卵できるタイムリミットまでの時間が限られていますので、こういった時間や費用の無駄なロスは、本当に痛いチャンスのロスになってしまうかも知れませんね。

 

○費用は高いのですが、無駄な移植というリスクを減らすことで得られる時間や、広い意味での費用の軽減、精神的なストレスを避けるなどの利点も多い検査ですので、欧米のようにより身近なものになることを期待したいですね。