体外受精で耳にする、卵子活性化って何?

卵子活性化のスイッチは、精子のなかにある!

卵巣から排卵される卵子は、卵胞が成長して大きくなり、直径が2センチほどになる頃に、周りの卵胞が破裂するようにして、中にある卵子が排卵されます。

成熟卵はよく耳にするMIIの段階にある完璧な状態の卵で、腹腔内に排出されてから卵管さいによってピックアップされて卵管膨大部に入り、卵管を上がってくる精子との出会いをスタンバイしています。

 

卵子活性化とは、停止中の卵子の細胞分裂を再スタートさせること。

MIIの卵子が無事に精子と出会い、再び卵子は細胞分裂をリスタートして、受精へと向かいますが、その細胞分裂停止中の卵子にスイッチを入れるのが、(精子の中に含まれる)卵子活性化因子です。

 

卵子活性化因子によって受精卵は完成する。

卵子の細胞膜を溶かし、卵子内に入り込んだ精子の中にある卵子活性化因子を受け、卵子内では受精に向け、カルシウムによるバイブレーションが幾度となく起こります。

カルシウムの波動は卵子の減数分裂を活性化し、やがて、卵子由来の雌核と精子由来の雄核が融合し、受精卵として完成されます。

こうしてできた2人の力を合わせ持った受精卵は、ここから子宮への道、着床への旅を始めます。 

 

受精卵を完成させるためには精子のパワーが必要!

  受精卵を作り出す卵子活性化には、精子が卵子にスイッチを入れる力が不可欠なのです。精子のその力が足りなければ、卵子は細胞分裂を起こす事ができません。

精子の運動率、直進率、数とは別に、最後に卵子はを後押しできるかどうか、精子を卵子活性化させる十分な因子があるかどうかは、残念ながら検査ではわかりません。

そこで幾度と顕微授精を繰り返しても、うまくいかない方に卵子活性化処理を進めるクリニックも出始めました。

 

精子活性化をクリニックでフォローする技術

1、カルシウムイオノフォア処理

顕微受精後の卵子を高濃度カルシウムイオンが含まれている培養液に短時間浸漬し、その後通常の培養に戻します。

2、塩化ストロンチウム処理
3、電気処理 

この中でも①のカルシウムイオノフォアが一般的です。

保険適用にもなり、クリニック事に費用は変わりますが、3000円ほどが相場です。     

顕微授精の授精率が70%から80%と推測される中で、30%以下の方は、一度クリニックにご相談されてみてもいいかも知れませんね。