「家を建てる人は、家を壊す人よりも常に多くの報酬を得る」こんな言葉があります。
パッと見てその通りとも思いますし、例えば解体業のような隙間産業的な仕事というのも近年は注目されています。廃棄業などの他業種からの参入が難しい業種と一体化しているので、長い目で見ると面白い事業だとも言えそうですね。
ただ、実際に大手建設業社を見ていると、国家的な大規模な建築を多数手がけていますし、国の経済を牽引するためにも、こういった大きなプロジェクトはなくならないでしょう。
そう考えると、どちらの報酬が多いかといえば、家を建てる方が大きいとはいえそうです。
そしてここでいう報酬に、その建物を使う人や見る人など、建物が地域や人々に及ぼす経済的、心的プラスの影響力を考慮に入れるなら、将来に渡って大きいものがあると思います。
歴史的建物、遺産と言われる名所、旧跡、デザインされた建築物は、実は世界中に多数存在していて、人々の生活に多大な功績を伝承しています。私たちが旅行などで訪れる観光地も、こういったところがほとんどではないでしょうか。
さて、不妊治療を頑張っているあなたにも、ものを創る意識をもった行動が良いか?
あるいは今までの行為を壊してしまうような行動に至ることはどうなのかと問われれば、色々と考えさせられるシュチュエーションが多いのではないでしょうか。
赤ちゃんが生まれて家族が増え、幸せが膨らむという素晴らしさと…
子育てや教育には多大な手間やお金、時間がかかるので、そのためには手放さなければいけないものもあると思うのです。
子供が育ち大人になると、親であるあなたや家族は、いつの間にか歳をとっていて、人生のメインステージからエンディングへの生活を意識する年代に入っています。
若い命とエネルギーが生まれ、年老いたあなたのご両親は、孫からすると、お爺さんお祖母さんになっています。
そして体力が落ち、年なりの病気や食生活を意識せざるを得ない時期に入っていきます。
さてこの時期までに、あなたは子育てを頑張っている事と思いますが、人生で何を世の中に対して創造しているでしょうか。
プライドのある仕事でしょうか?立派に育った子供達でしょうか?幸せに包まれた2世代の家族でしょうか?
逆に何かを創るために、捨てて来たものはあったでしょうか。
大きな目標を達成するその影には、諦めなければならない代償もあるでしょう。必要なことだったのに投げ捨ててしまったことはないでしょうか?忘れてしまいたい、修復が必要な人間関係はなかったでしょうか?
子供を作り、育てる時間の陰に多くの時の流れを思って、今からでも間に合う創造的な行動を見つけ出しませんか。
そうやって人生のお手入れをするのもまた、多くの幸福という報酬を拾い上げるための貴重な時間になるかも知れません。
不妊治療という消耗の激しい時間に、人の一生という流れを重ねてみるのも、あなたが忘れて来たかも知れない何かを思い出す一助になるのではないでしょうか。