不妊治療で使う薬って、どんなものがあるの? その1

 

妊活のため病院に行くと色々なお薬を処方されます。

自分が使っている薬がどんな目的でどのような作用があるものなのか?皆さん、きちんと理解していますか?

私たちの治療院でも先生に処方されたからと気にしていない方が意外と多いと感じています。採卵のため、移植するから。と漠然としていませんか?

でも、自分自身の体に直接入れるものですから、この機会にきちんと知っておくのはいかがですか?薬には沢山種類もあり、名前が違うものもありますが、今回は代表的なものを簡単にご紹介します。

<排卵を誘発する薬>

 

■ 間接的に作用するもの

① クロミッド/セロフェン

どちらも「クロミフェンクエン酸塩」を主成分とする排卵誘発剤の一つです。

子宮そのものに直接刺激を与えるのではなく、脳から自然と出るホルモンバランスを調整させることで、限りなく自然に近い形で卵胞の発育を促す作用や排卵を誘発していくため、卵巣への負担が少ない点が特徴です。

欠点としては、排卵時の頸管粘液の量が少なくなったり、子宮の内膜が厚くならず月経の量が少なくなったりする場合があります。

② セキソビット

非常に弱い排卵誘発剤です。

セキソビット6錠は、クロミッド1錠よりも弱いとされ、クロミッドに見られるような、頚管粘液が少なくなったり子宮内膜が薄くなるなどの副作用はありません。

■ 直接的に作用するもの

① フェリング(ヒト下垂体性性腺刺激ホルモンHMG製剤)

FSHとLHの両方を含み、卵巣に作用します。卵の成熟を促し子宮内膜の受容性を高める。クロミフェンなどで効果がでず多くの卵胞を育てたい場合などに用いられます。

副作用としては卵巣腫大、下腹部痛、下腹部緊迫感、腹水・胸水を伴う卵巣過剰刺激症候群(OHSS)があります。

② フォリルモン/ゴナピュール/ゴナール(卵胞成熟ホルモンFSH製剤)

FSHのみでLHを含まず卵巣に作用し、卵胞を成熟させる。LHが含まれていない分、卵の質が良くなると言われています。

副作用はHMG製剤と同じです。

<排卵を抑制及び誘発する薬>

■ スプレキュア/ブセレキュア

視床下部で作られるGnRHというホルモンの働きをコントロールする作用があり、使用期間により2つの作用があります。

①長期間の使用:排卵を抑制する
②短期間の使用:排卵を誘発する

<排卵を抑制する薬>

 

■ セトロタイド/ガニレスト

LHサージを抑えて気まぐれに排卵してしまうのを防ぎます。効能の持続時間が約30時間あります。スプレキュアと違う点では作用の仕方や持続時間の差があります。持続時間は8時間程になります。

利点としては「下垂体の回復が早い「HMGの投与量が少なくOHSSの発症が少ない「卵巣刺激にかかる総費用が安い」などのメリットがあります。

 

■ ボルタレン

排卵抑制効果があり、本来は解熱鎮痛剤として使用されていますが、プロスタグランジンの生成を阻害することにより、排卵を抑制していると考えられ使用されています。

 

どうですか?知っている薬はありましたでしょうか?

個々の薬には細かい作用や効果もありますが、今回は妊活目的で利用される場合についてざっくりと記載してみました。

この他に子宮内膜の状態を良くするもの、生理周期を整えるなどがありますが、長くなりますので、それらについては次回ご紹介させていただきます!