□NIPT検査は遺伝子の新しい解析技術で、母体の血液から胎児の遺伝子を調べる検査です。
お母さんから採血するだけで、高い精度で染色体異常の有無を検査することができるのが特徴で、近年この検査を検討される方も増えているように思います。
□羊水検査での、偶発的な流産の可能性を避けることができることも注目の理由にあるでしょうし、早い段階で遺伝子の異常を知ることができるという安心感も大きいでしょう。
今日は、この検査はどうやって行われるのか?そして何が分かるのか?に付いてお話ししますね。
□NIPT検査とは、母体の血液中に微量に存在する、胎児の「cell free DNA」(細胞外に浮遊しているDNAの断片)を調べます。
□妊娠中には、お母さんの血液中に、胎児由来のDNAと、お母さん自身の由来のDNAが両方混在し浮遊しているのです。
□その中から胎児由来の、少ないDNAを判別して、さらに遺伝子の異常と明らかな、13番、18番、21番染色体にある遺伝子に、トリソミーがあるか調べるのです。
例えば、21番染色体の量が通常よりも多ければ、21トリソミーのダウン症候群の可能性があるという判別法なのです。
□ただ、モザイク、部分トリソミー、転座を検出することはできませんし、13番、18番、21番という、代表的な遺伝子異常の染色体が、2本であるべきところが、3本になっているタイプの染色体異常に特化しているということが大きな特徴なのです。
□合わせて、妊娠10週という早期の段階で検査できることも、この検査の特徴でしょう。
□血液は米国のシーケノム社(等の数社)に送られて検査されるため、検査結果が出るまでには2週間ほどかかります。
□また、感度・特異度ともにハイレベルな検査であるため、パートナーとともに遺伝カウンセリングを受けることが必須になっています。
□検査対象となるのは主に、35歳以上の高齢出産の方で、先に生まれたお子さんが染色体異常に関わる問題を持っていたり、超音波検査などの医師の内診で、染色体異常を疑う所見がある方などが優先されてきた検査なのですね。
□ちなみに、この検査の結果が、陽性(検出率/約98%)、または準陽性の場合は、羊水検査をして再確認をすることが一般的です。
母体血清マーカー検査(クアトロテスト)でもNIPTでも再検査をしなければいけないのであれば、クアトロテストの方が精度は低いけれど、2万円で済むというコストパフォーマンスを考えると、どちらを選ぶか迷うというご意見もありますね。