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卵の質があまり良くなかったので、低刺激の治療で何度も採卵して、なんとか一つの胚盤胞が凍結できると、次の周期は移植へ向かいます。
本当は、採卵はなるべく早い方が良いとも言われますので、何度か続けて採卵をして凍結胚をいくつか貯卵してから、順番に続けて移植を行う方が、時間的に少しでも採卵が早い分、よい卵なのではないかと期待をかけるからですね。
ところが現状では、低刺激系の不妊治療専門病院の代表ともいえるKLCや夢クリニックなどは、凍結杯の貯卵が基本的にはできないのです。
移植をして赤ちゃんが生まれた後に、残りの凍結胚を処分することもあるこの治療の中で、命の元である胚を廃棄することへの倫理的な問題提起もあるでしょうし、現実的に凍結杯の貯卵ばかりが増え続けることと、通常の患者さんの採卵と凍結のスペースを優先して、良好な治療の流れをキープする目的もあるのだと思います。
ただここで、高齢でAMHが低い患者さんの立場からすると、この先いつまで採卵ができるか解らない状態で、採卵をせずに移植をする患者さんには、なんともいたたまれない思いがあるのは事実でしょう。
その胚で赤ちゃんが生まれればよいのですが、生まれなくて流産などになってしまった場合には、掻爬などのオペをした後に、HCGが0.1以下に下がるまで待たなくてはいけません。採卵、移植への努力が報われなかった上に、費用が請求されますし、何より大事な時間が消費されるのです。
卵の質が悪いから低刺激で治療をしている。だから一回の採卵では採れる卵は1個か2個。一回の採卵と移植のために多くの時間と手間とお金がかかったのに、移植の予後が悪ければ、あっという間に全ては水の泡なのです。
一番痛いのは、過ぎてしまった時間は戻らないことです。ちょっとでも採卵は早い方がいいのに。無駄になった時間の上に、更にこれから時間をかけて新たな採卵、移植へのチャレンジをしなければならない。今までの結果を見ると、これから急激に良い卵が採れるのか?単純に期待をする事にも、ちょっとブレーキがかかります。
こうなると、採卵をなんとか続けてしてもらえないのかな!?という気持ちも生まれてくるわけです。