ヨウ素や甲状腺と、不妊の関係性は?

 

ヨウ素と甲状腺と不妊の関係ってどんなものでしょう。

甲状腺は甲状腺ホルモンを分泌して新陳代謝をコントロールしますが、これにはヨウ素がなくては行われません。

ヨウ素の60%は甲状腺にあります。甲状腺は、体の喉仏のすぐ下にある蝶が羽を広げたような形をしていて、重さ10g〜20gほどの小さな臓器です。

ヨウ素を取りすぎると体内で甲状腺ホルモンが過剰に作られるのを防ぐために逆にホルモン分泌低下が起こります。

甲状腺ホルモンの分泌が低下してくるとTSHが高くなり、甲状腺機能低下症になります。つまりTSHの数値が高くなればなるほど、甲状腺ホルモンは減っていきます。

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甲状腺ホルモンは胎盤を通して胎児に移行し、胎児の知能を含めた身体発育に極めて重要な働きをします。軽度の母体甲状腺ホルモン不足があると胎児の発育や妊娠継続に悪影響が出ます。

妊娠中のヨウ素欠乏症は、先天性甲状機能低下症(クレチン症)の要因になり、知能低下や運動機能障害をもたらします。

甲状腺ホルモンは(FT3、FT4)は正常だが、TSHが高値の状態を「潜在性甲状腺機能低下症」と言います。

習慣性流産、不妊症の10%に潜在性甲状腺機能低下症が存在すると報告されています。

厚生労働省の統計では、日本人女性の流産率は13%ですがTSH>
2.5の流産率は30%以上とされています。

 

どうして、潜在性甲状腺機能低下症で不妊症、習慣性流産になるのか?

プロラクチン(PRL)の上昇

脳下垂体ホルモンで乳汁分泌を起こし、一方で妊娠を妨げるプロラクチン(PRL)は脳内でTSH(甲状腺刺激ホルモン)と調節機構が同じです。

原発性甲状腺機能低下症(橋本病)をはじめ、甲状腺自体に問題がある甲状腺機能低下症では、甲状腺ホルモン不足→下垂体-甲状腺フィードバック機構によるTSH(TSH放出ホルモン)上昇→TSHとプロラクチン上昇がおこり、妊娠しにくく、妊娠の維持ができなくなります。

 

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※ ヨウ素が入っている食べ物

昆布、ひじき、ワカメ、海苔など海のものによく入っています。日本人がよく食べる食材ですね。妊娠を希望でTSHが2.5以上ある方は控えるようにしましょう。