赤ちゃんは欲しいけど、不妊治療はもうやめるという時。

 

□不妊治療は随分やって来て、タイミングから人工授精、体外授精、顕微授精とステップアップしたけど、なかなか質の良い卵が採卵できない。移植も随分したけれど結局は流産の繰り返し。もう気持ちもお金も、体力も一杯一杯になってしまった。
□そろそろ限界かなと思うし、これ以上採卵、移植を繰り返す気力が無くなってしまった。旦那ともよく話し合った結果、病院での治療はもうやめることにしました。
□子供がいない生活も今まで通り、それはそれで幸せですし、先の人生を考えると、これから子供が出来たとしても、その子が成人する頃には、私たちは歳をとり過ぎていることにも気がつきました。
□通院をやめて自然に過ごしながら、もしもそんな中でも子供ができたなら、その時は、それでよしという感じでいこうと思います。

 

年齢も45歳を超えて、AMHも0,1くらい下がってくると、簡単に妊娠することは難しいのが現実ですし、なんといってもご夫婦で、何年も治療を頑張って来た結果、今この答えにたどり着いた事を尊重する以外には、とるべき道はないなというところですね。

こうして、赤ちゃんは欲しいけど、もう治療はしないという瞬間はやって来るのです。

この時、本当にやりきったご夫婦からは、ここでホッとするような、ほのかな安心感が漂うのですが、実はこの決断の陰に、別の事情を抱えた方の場合は、何か硬い表情と空気が感じられるものです。

ではその事情が、どんなものかといえば

□貯金がなくなってしまい、資金的に治療の継続が難しい場合。
□奥さんと旦那さんとの間で、不妊治療に対する温度差が生まれてしまい、旦那さんの了解が得られなくなった。そのために採精ができなくなり、凍結精子が尽きてしまった時などがあります。
□または逆に、奥さんはもうこれ以上治療しても、子供を得るのは無理だと感じているのに、旦那さんがどうしてもという、たっての願いで不妊治療を続けて来たけど、奥さんがご自分の体の限界を悟り、卵子提供や養子への転換を旦那さんへ切り出した結果、治療の断念につながるなど。

 

そのご夫婦なりの様々な事情があるものなのです。

この治療を通して、夫婦仲に意見のズレが生じたりすることもありますが、総じて仲が悪い訳ではないので、決着がついてしまえば、元の自然な距離感に戻ることが多いようです。

さらにお互いの愛情や、信頼が深まるご夫婦もいらっしゃるので、やはりこの不妊治療は、ご夫婦の歴史に、それなりの影響を与えるのだなと感慨を覚えることが多いのです。