不妊症の検査は月経周期の卵胞期、排卵期、黄体期によって行える検査が違ってきます。また月経周期に関係なく行う検査もいくつかあります。
今回は排卵期の検査について説明して行きます。
排卵期とは成熟した卵子が卵巣から卵管に放出される時期のことで黄体ホルモンが活発になるため個人差はありますが眠くなったり、だるくなったりすることがあります。
フーナーテスト(ヒューナーテスト)
フーナーテストは性交渉後に子宮頚管粘液の中にいる精子の様子を観察するものです。これにより子宮粘液と精子の相性を調べることができます。
方法
排卵日前後に性交渉後約3~12時間以内に病院へ行き注射器で子宮頸管の粘液を採取し子宮頸管粘液を約400倍に拡大できる顕微鏡を使いその中に精子が侵入しているかどうかまたそこに含まれている精子の数や運動率をチェックします。
結果不良の場合考えられる原因
男性…精子の数が少ない、精子の運動率が悪い
女性…子宮頸管粘液の質が悪い、抗精子抗体
※フ―ナーテストは精子と子宮頸管粘液との相性を調べる検査で精液検査は精子そのものの運動率や数を調べるものです。また、精子の状態は体調によって変化するので2回以上の検査が必要です。
排卵診断薬検査(尿検査)
尿中のLHサージを検査し排卵を予測する排卵日検査薬です。
妊娠可能な期間は排卵日5日前から排卵後12時間以内と言われていますが一番妊娠しやすいのは排卵日の2日前と言われています。排卵診断薬検査を購入する際は感度の良い排卵診断薬検査を購入することをおすすめします。
例)20mIU/mlであればLHホルモンが20mIU/mlを超えたら感知したサイン。30mIU/mlであればLHホルモンが30mIU/mlを超えたら感知したサイン。つまりmIU/mlの数値が小さいほど感知が高いということになります。
「IU」とは1ml中のどのくらいホルモンがあるかの単位です。
卵胞計測.子宮内膜厚(超音波検査)
排卵期の超音波は排卵前後でおこない卵巣にできた卵胞の大きさや数を計測して排卵日の予想をします。また、これに血液検査のホルモン値も参考にします。排卵後にも超音波で卵胞がつぶれてなくなっていることを確認して排卵があったことを確かめます。
※基礎体温が上昇していても排卵がおこなわれず卵胞が排卵前と同じに存在していることもあります。これをLUF(黄体化破裂卵胞)といいます。
排卵前の子宮内膜の厚さが8㎜~10㎜になっているか子宮内腔の異常がないかも確認します。
子宮頸管粘液検査
シリンジで吸引した頸管粘液の量と透明度を観察後牽引性も調べます。子宮頸管は無菌状態の子宮を細菌から守るため普段は乾燥気味で酸性が保たれています。頸管粘液は排卵前には0.1ml/日づつ増加して水様透明で粘稠性が低くくなり精子が通りやすい環境になります。反対に卵胞期の頸管粘液は少量で粘稠性が高くなり精子が侵入しにくい環境になります。
※クリニックによっては基準値や検査方法が違うことがあります。