ハリ治療ってほとんど痛くない。そのメカニズムとは何故?

 

鍼を使って治療を行うと聞くと「なんだか痛そう…」「注射が苦手だからダメかも」と思ってしまう方は、多いかもしれません。しかし、鍼治療はきっと、あなたが思っているほど痛くはありません。

なぜハリ治療は痛くないのでしょうか?今回は、そのメカニズムを解き明かしていきましょう。

■髪の毛程度の細さの鍼

鍼治療で痛みを感じるのは、鍼が皮膚に刺さった時です。でも、その鍼が細ければ細いほど、痛みを感じなさそうですよね。

実は鍼灸院で使う鍼はステンレスなどの金属製、細さは約0.2mmと、髪の毛ほどです。

また、鍼の先端は丸みを帯びていますので、皮膚に刺さるときの抵抗が少なくなります。

さらに、鍼を皮膚に刺す際、鍼管(しんかん)という管を使います。鍼管を使って一瞬で皮膚を通過させることで、刺激をあまり感じないのです。

■痛点をドンズバで刺さなければ、あまり感覚がない。

人の皮膚の表面には、痛みを感じる痛点が数多く存在します。「痛い!」と感じることは、人が生きていく上で必要な感覚だからです。皮膚が切れたり、打撲しているのに何も感じないなら、時間と共に傷口の裂傷が大きくなり、炎症から化膿してもわかりません。そのまま、そのこと気づけなければ死んでしまうかもしれません。

ただ、痛点にズドンと入れば痛みが出ることもありますし、それがビーンと響くことがあります。

ハリ響きと言って、鍼灸師からするとハリの効果を高くするために、若干重宝する事がある作用ですが、患者さんからすると刺激が強い場合もあります。そんな時は無理せずに鍼灸師に正直に言ってください。よりやさしい方法をとる事ができるでしょう。

痛みを感じるまでの刺激の強さは、個人差が激しいのです。

ある人にとっては感覚自体が全くない場合でも、敏感症の方には辛かったりするものです。我慢したりせずに鍼灸師と会話しながら、気持ちよく治療を受けていただければ幸いです。