不妊治療をしていると、採卵、培養、移植と、この3ステップを繰り返すことになるのです。ただ、どの段階をとっても、卵の質が良くない方にとっては、簡単に事が進むというわけにもいきません。
採卵をするにしても、ホルモン値の変化を見ながらE2が適正値から上がってくるか?
LHが低いところから、排卵に向かう時期にグンっと上がってくるか?
FSHが最初から抑えられているか?そもそもAMHはある程度残っているのか?
前の周期に着床した方なら、HCGは基準値より下がっているか?
嚢腫は溜まって増えていないか?
卵胞は見えているのか?
卵胞の大きさや数は、その時のE2と合っているのか?
卵胞は採れる位置にあるのか?
遺残卵胞は見えないか?
こういう条件をクリアするようにして採卵はおこなわれていき、今度は採れた卵胞を、次の工程である培養に預けることになります。
これだけある段階のどこかに問題が発生すると、採卵が中止になったり、時間がかかったり、あるいは採卵をしてみたものの、主席卵胞が空砲だったり、その他の卵胞も、突いて見たものの、ほとんど中身がなかったりといった、思わしくない結果になる事があります。
そうなると、そこまで費やして来た多くの時間や、お金も無駄になり、気持ち的にもがっかり。これだけ頑張っているのに、なんで私には良い卵ができないのだろう…とテンションが下がってしまい、なんか治療に行くのが億劫になってしまいます。
不妊治療や体外受精では、治療の行程が多いので、これら一つ一つをきちんとこなしていかなければいけません。
たとえ、その間に治療がうまくても、辛かろうと、ストレスであろうと、手間が多すぎるのであろうと、それががっかりな結果であろうとも黙々とこなしていく事が求められます。それらの精神的な影響と、治療を一つ一つ行うことを切り離して考える、強い気持ちが大切になるのです。
スポーツに例えるなら、「誰であれ、練習を続けなければ上手くならない」という事です。
毎日練習をしても、すぐに変化はありませんし、トレーニングは誰にとっても100パーセント辛いだけです。練習していても誰もそのこと褒めてくれるわけでもなく、どれだけやったら勝てるか分かりません。そもそも全てが無駄になるかもしれません。怪我をして一からやり直しになるかもしれないし、人と比べたらもっと上手い人が目に入って落ち込みます。
こう考えると、トレーニングなんて何でするのでしょう?やめた方がいいのでは?というか、とりあえず今日は疲れてるし、一日くらい休んだって問題ないでしょ。また明後日からすればいいし…誰でも、こんな風に考えますよね。
ここまで思い立って、さてあなたならどうしますか?このポイント大切ですよね。あなたの経験から言って、こんなに辛いから、トレーニングを今日だけ休もう!と実際に休むと、どういうことが起こるでしょうか?
1、そう、休んだ分だけ、体は元に戻ってしまいます。
2、決定的によくないのは、あれだけ頑張ろうと思った、自分自身の気持ちを裏切ってしまうことで、自信を行動で打ち消してしまうことです。
心の奥底で、「信念」という大事な力を失ってしまう事です。
ところで、あなたの心の奥底を支配するものは何ですか?
それはあなたの古い脳です。
生きるということを、何も考えなくても、静かにしてくれています。自律神経系と言ってもいいかも知れません。この爬虫類脳などとも言われる古くから生命を司っている脳に、教え込んでしまったのです。
私は「最後までやり遂げると決心した事でも、大変だと思うとあっさりやめてしまう意思の弱い人間です」と。
この古い脳は、その命令をきちんと守ります。自分で決心したことでも、大変ならしなくてもオッケーだよと。
不妊治療だけではなく、仕事や、性格、行動の仕方、考え方などにその影響を与えながら、あなたの人生は進んでき、その結果があなた自身に帰って来ます。
小さなことですが、そんな積み重ねが、あなたを作っているのです。これが真実です。
あなたの受け取る結果を、あなたの思い描いたものにするためには、治療が上手くいかなくてどんなに辛くても、そんな時にどうするかを、あなた自身の潜在意識に経験として教えていかなければいけないのです。そんな小さな行動の積み重ねが、あなたの未来を創ってゆくのです。
あなたは、治療が上手くいかないと、すぐにお休みにしてしまう人ですか?