□低刺激法による採卵のメリット(体外受精)
日本の体外受精には、できるだけ薬を使わないで妊娠したい夫婦のための、排卵誘発剤をまったく使用しない「自然周期法」や、薬の種類や投与回数が少なくなる「低刺激法」など、様々な方法があります。
- 自然に育った卵子で妊娠したいと考える方や、強い排卵誘発剤を使うとむかつきなどの体調不良を感じる方に有効です。
- 高刺激の排卵誘発剤を使い続けて、何度も採卵、移植を繰り返してきたにも関わらず、着床しなかったり、流産になってしまうという経過を繰り返している方は、強い排卵誘発剤を注射しても、だんだん採れる卵胞の数が減ってしまう傾向があります。
そして副作用で卵巣へのダメージを与えしてしまうために、採卵できる「卵胞の質」をも下げてしまうのです。
高刺激を繰り返す事による「卵の質の低下」や「卵胞の減少」というリスクを抱えている方に、そのリスクを軽減できるメリットがあるのです。
- 高刺激や中刺激のような、大きなダメージを卵巣や卵胞へ与えずに、採卵をすることが可能になるので、体外受精(不妊治療)が継続できる。
- 39歳も超えて、年齢が次第に高くなる方、卵巣力を温存しながら採卵、培養、移植を続けることができる。
- AMHが1.5以下になって卵巣年齢(実年齢)が高くなり、卵胞の在庫も減る中で、生殖機能の低下という更なるリスクを軽減しながら「卵の質」という問題に対処する治療法。
- 採卵できる卵胞の数が少ないという、デメリットをメリットに変えるべく開発された治療法なため、培養の技術を高めることが必須だった。そのことが、培養士の技術のレベルアップとデータの蓄積、技術の開発につながり、培養液や受精の確実性を高めるための針などの開発につながった事で、低刺激の体外受精を行う病院は、培養の技術を最高度に養っている。
採卵できる卵胞の数が少ないことが問題なのではなく、少ない中でも「質の良い卵子」をいかに育てるか?が問題の解決に一番必要なことなのです。
低刺激法による採卵(体外受精)は、より難易度が高い患者さんへの一つの答えなのです。