あなたの卵子と精子は、本当に出会っているのでしょうか?

卵子が精子と出会うには、実は大変なプロセスを経ていることを、あなたはご存知でしょうか?

 

□卵子は排卵によって卵巣を飛び出すと、腹腔というお腹の中で(周りを腸などに囲まれた隙間)にこぼれ落ちます。運良く、すぐ近くにあるはずの手のような形の卵管采(らんかんさい)にキャッチされれば、取り込まれて卵管に入ります。

 

□卵管に入ってすぐの、卵管膨大部に正常な精子が集まっていれば、精子と出会うチャンスがあるのですが、ここまでたどり着く精子の数は400程とも言われています。

□ちなみに射精された精子の数は、1〜3億ほどですので、ほとんどの精子はここまで来る途中で死に絶えるわけです。

□そんな中、老化や様々な要因で卵管が詰まっていたなら、精子の通り道がふさがれてしまう訳で、精子と出会うことが出来なくなってしまいます。

□また、卵管采がうまく機能していなかったり、腹膜や臓器との癒着があったり、水腫、内膜症による血腫など、器質的に卵を取り込めない問題がどこかに隠れていると、排卵された卵子を卵管采がピックアップすることが出来ず、精子と卵子の出会いは失われてしまうのです。

□卵と精子が出会えていない可能性が少しでも隠れているなら、卵管造影やフーナーテストなどの検査項目の全てがOKだから「私は自然妊娠できるはず」と思い込んでしまい、タイミングや人工授精にいつまでもこだわり続けるのは、時間だけが無為に過ぎてゆく危険があるのです。

最後に

一定の期間、同じ治療を繰り返しても数値的な改善が見られないなら、採卵可能な卵巣年齢から残り時間を逆算して、早めに不妊治療のステップアップを検討することをお勧めします。