前回は、「温める」「冷やす」という身体への作用によって、食品が5つに分類されること、中でも「温性」の食品についてご案内しました。
今回は「熱性」の食品にスポットを当ててみたいと思います。「温性」の食品と同様、「熱性」の食品にも身体を温める性質があり、当然ですが冷え性に効果大です。
「熱性」の食品は、「温性」の食品と作用はほとんど同じですが、温めるパワーがより強力で、新陳代謝を高めてくれ、血行を促し、発汗を増加させます。冷えからくる生理痛にもお勧めです。
唐辛子や胡椒、山椒、シナモンなどが代表的なものです。料理の「スパイス」として使われることが多いので、普段の食生活に、プラスアルファとして取り入れやすいのではないでしょうか。
香りやおいしさはもちろん、ほんのひと手間で代謝アップが期待できます。
【プラスアルファの一例】
○いつものお味噌汁に七味唐辛子をひとふり
○紅茶にシナモンパウダーをパラリ
○ドレッシングに、山椒をプラス
身体を効率的に温めてくれる「熱性」の食品。でも、とりすぎは禁物です。吹き出物など、肌荒れの原因になることがあるのです。
また、悪寒がする風邪の引き始めなど、身体を積極的に温めたい時に、「熱性」の食品は効果的ですが、高熱の際はさらに体温を上げてしまうので、むしろ控える方が無難でしょう。
ところで、暑い国々でスパイシーな料理が好んで食べられるのはご存知ですね。
唐辛子の辛み成分カプサイシン等によって発汗が促され、汗が蒸発する際に体温が奪われて涼しくなるのを経験的に知って、根づいたものなのでしょう。
身体に作用するパワーの強い「熱性」の食品。パワフルな分、身体を温めるだけでなく、冷やす効果まであるとは、おもしろいですね。注意して、適度においしく楽しみたいものです。
いかがでしたか?「温性」や「熱性」の食品の多くは、煮物や鍋などに合って、まさに寒い季節にぴったりです。あれこれ上手に取り入れて、おいしい料理で心も身体も温まるといいですね。