AMH値改善のウソホントー正しい改善法を知ろう

 

 

不妊治療において、AMH値が低いことにお悩みの方はいらっしゃいませんか?

AMH値は卵巣内の卵の数を反映すると考えられています。
卵の数は不妊治療の可能期間に影響するので、低値を改善したいとお考えの人も多いでしょう。

しかし、AMH値改善方法と考えられているものには、意味のあるものないもの玉石混交です。そこで、AMH値改善のウソホントについてご紹介します。

■「AMH値は上げられる」は半分ホントで半分ウソ

AMH値が低いとお悩みの方にとって、AMH値を上げられる方法があれば朗報でしょう。 しかし、数値が若干上がるケースはあるものの、AMH値を上昇させる明確な術はありません。

AMH値は血液中のAMH(抗ミュラー管ホルモン)を計測することで求められます。

この測定値は、実は±15%の誤差が発生すると言われています。

 

なぜなら、どれだけの原子卵胞が前胞状卵胞に成長できるかは時によって変化するからです。 AMHは、原子卵胞から前胞状卵胞に成長する際に分泌されます。この原子細胞の数自体は変化しません。

つまり、AMH値が上がったからと言って、原子卵胞の数が増えたわけではなく、かつ上昇は一過性のものだということです。

これだけ読むと、不妊に悩む方にとってあまり意味のある数値変動ではないようにも思えてしまうかもしれませんね。しかし、現実的にはAMhが閉経に近くなるに従って下がってくることもあり、AMH0.0でも出産される方もいらっしゃいますが、それは希少な例だということも合わせてご記憶くださいね。

この数値が年齢別の適正値であり、なおかつ年齢が若い方が出産に至る確率は高いとお考えいただく方が、あなたにとってプラスでしょう。

■「肥満だとAMH値が低下する」はホント

BMI(体重と身長の関係から体格を表す指標)が25以上の肥満体体型の方は、AMH値が標準体型の方の6~7割程度しかないことが研究により分かっています。

原因としては、脂肪細胞から分泌されるレプチンというホルモンが卵子を育てる細胞(顆粒膜細胞など)のたんぱく質代謝を妨げて、卵胞の育成を抑制してしまうことが考えられます。

ちなみに、BMIは体重÷身長(m)÷身長(m)で求められるので、154㎝ほどの平均的な身長の女性の場合、体重が60kgあるとBMIが約25になります。

■「ビタミンD不足はAMH値低下に影響する」はホント

ビタミンDは、卵胞の発育に大きく影響します。

AMH値を「その時点で供給されている卵子の数」だと考えると、原子卵胞自体はあるのに、ビタミンD などの栄養素が不足することで卵子の供給がうまくいかず、結果AMH値が低く計測されるという可能性があります。

また、ビタミンD不足は卵胞の発育不全のみならず、着床障害や不育症の原因にもなります。
高齢で原子卵胞の数自体が減少している場合には、ビタミンDの補給はAMH値上昇に寄与しません。しかし、このような障害を避けるためにも、ビタミンDを補給するのが良いでしょう。

いかがでしたか? AMH値の改善といっても、原子卵胞の数自体を増やすことはできません。

しかし、卵胞生育の障害を取り除き養分を与えることで、卵胞の健やかな成長を助けましょう。