卵管が片側ない私…「そちらからの排卵」はムダ?

 

子宮外妊娠などで片方の卵管を切除してしまっても、卵巣は残ります。

卵管が無い側の卵巣からの排卵はムダになってしまうのでしょうか?

2013年の論文によると、卵管の無い側から排卵しても、反対側の卵管がキャッチする確率は約1/3だそうです。

 

IMG_3203.jpgこれは子宮外妊娠により片側の卵管摘出術を受け、その後自然妊娠が成立した707名のべ842妊娠を対象とした調査が元になっています。

 

超音波所見から黄体が左右どちらにあったかを卵管摘出術の同側・対側で調べたところ摘出側で31.6%(266/842)という結果でした。

子宮や卵巣の図解では、卵管が子宮の両側に腕を広げているように描かれることが多いですが 、実際には卵巣と卵管はともに子宮の裏側に隣り合って存在しています。

左右にひろげた腕というより、背中についた天使の羽根のイメージでしょうか。つまり、左右の卵管は非常に近い位置にあるのです。

 

なんと、隣の卵巣から排卵された卵子でも1/3の確率で受け止めてくれるのですね!

また子宮外妊娠関連では 「卵管と気道の繊毛がリンクしており、鼻上皮を調べると卵管妊娠の予測が可能である」ことを示唆する論文もあるそうです。

卵管と気道には繊毛(せんもう)という似通った構造があり、繊毛の運動により卵子や受精卵が卵管内を輸送され、異物が気道内から排除されます。

Adrenomedullin(ADM)は鼻粘膜のマスト細胞にみられ、抗炎症&抗菌機能を司っています。

 

またADMは卵管の絨毛運動を調整していることも報告されており、 卵管妊娠の卵管と鼻粘膜の絨毛、血中ADM濃度と卵管・鼻粘膜のADM受容体を測定する調査から …

鼻粘膜の繊毛運動低下がみられる方→卵管機能低下→卵管妊娠しやすい ということが考えられています。

整体の世界では「鼻は生殖器」といいますし、東洋医学の望診などでも顔に全身を投影して観ますので 日々の臨床で「まず鼻の調子を良くしましょう!」と言って驚かれることもありましたが、 遠く離れて関係なさそうな器官の相関関係が科学的に関係付けられるのも面白いですね。

IMG_3205.jpg体質改善とは、体の自然な調節機能を向上させることです。 頭やモノを使ってコントロールせずとも、自然にうまいことやってくれる本来のしなやかな姿に戻るお手伝いをさせて頂きます。

 

 

 

(松林秀彦さんブログより出典)