風疹以外にもある、不妊治療で注意したい予防接種や検査は?

風疹の予防接種の必要性はすでにお話ししていますが、それ以外にも妊娠前に受けておいていただきたい予防接種はいくつかあります。

どれも妊娠してからで接種できず、自ら予防していただくしかないのです。

 

 

□「麻しん」 

抗体を持っていない妊婦がかかると重症化します。

空気感染、飛沫感染、接触感染と感染力も高いです。赤ちゃんへの影響では、流産早産30~40%、子宮内胎児死亡、低出生体重児などがあります。

 

麻しんが重症化すると、中耳炎・肺炎・脳炎などの合併症のリスクや、分娩直前でかかった場合、赤ちゃん自身も先天性風疹症になり重症になる可能性もあります。

 

□「おたふくかぜ」

別名「流行性耳下腺炎」です。妊娠の初期であれば流産の可能性も出てきます。重症化した場合は髄膜炎、脳炎、難聴などの合併症リスクがあります。胎児自体には影響はないと言われていますが、先に述べたように流産の確率があがることになります。

 

□「みずぼうそう(水痘)」

風疹やおたふくかぜよりも感染力が高く、主に飛沫、空気感染でうつります。春先に流行しやすいです。赤ちゃんへは妊娠20週以前であれば1~2%の割合で胎児帯状疱疹症候群に、出産前5日間と産後2日間の間に感染すると赤ちゃんが重症化し「新生児水痘」になることも、その他では低出生体重、四肢低形成などのリスクがあります。

 

 

□ワクチン以外では抗体検査を受けた方がいいもの

「トキソプラズマウィルス」「サイトメガロウイルス」は特に妊娠中気をつけていただきたいです。

どちらも原虫により引き起こされる感染症ですが、健康な人が感染しても症状がなく問題ありませんが、妊婦が感染すると胎盤を通して胎児の発育に影響を及ぼすと言われています。

 

「トキソプラズマ」は生肉、土の中、猫の糞など身近にいる原虫です。自覚症状が少ないので気づきにくいですが、妊婦が感染すると胎児に悪影響を起こす可能性もあります。

 

重症な場合は早期死亡や、出産後は異常がなくても成長とともに発育不良、精神遅滞、難聴など症状が出ることもあります。但し、ワクチンがないので自分で予防するしかありません。

 

「サイトメガロウイルス」

日本の成人の半数以上が感染していて免疫があると言われています。一度感染すると一生体内で潜伏していますが、妊娠中に初めて感染した場合は胎盤を通して胎児に感染します。

影響としては発育遅延、早産、小頭症、精神発達遅滞などがあります。

感染を防ぐためには、帰宅したら石鹸やハンドソープできれいに手を洗い食器や衣類などは漂白剤を使って消毒すれば防ぐことができます。

 

 

 

 

 

 

 

□妊娠前から自分が受けてきたワクチンの有無や抗体の検査をしておきましょう

妊娠してからでは免疫力も低く、母子ともに影響を及ぼすものも数多くあります。

血液検査を受けて必要なワクチンを接種するというのは手間がかかることではありますが、その手間で赤ちゃんの健康を守れるのであれば、無意味なことではないです。

 

自分だけは大丈夫!ではなく、自分は大丈夫か?パートナーも大丈夫か?と今一度確認してみてはいかがでしょうか?

 

家族みんなが予防することで、ご自身の赤ちゃん、ひいては周りの赤ちゃんの健康を守ることにも繋がるのです。