”あなただけよ”「卵の質」の陰にある秘密のストーリー!

 

卵子の質はどこで決まる?

排卵 受精 着床 それぞれの場面で卵子の質が試される、これらの妊娠の過程の中で、1つ注目したい卵子の質、力量を今回は取り上げてみたい。

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それは、卵子と精子が出会う受精は、必ず1対1であるという、神様が決めた鉄則。

当たり前のこの事実、このメカニズムがうまく作動するかどうかが、妊娠の鍵を握る。

 

胎児の頃に、女性の卵巣の中で作られた卵の卵達。胎児20週で約650万をピークに、新生児で150万、初潮の時には20万~40万へ。そして、一人の女性が生涯排卵する数は約500個。胎児のピークの0.1%にみたない。 

毎月排卵する1つの卵子は、自分の番が来るまで、何十年と眠りついている箱入り娘の眠り姫。姫がLH サージからの指令により、目覚め、世にでる身支度を整える。エストロゲンをたっぷり含ませ、ふくよかに成長した卵子は、いざ排卵へ。

しかししかし、大事な箱入り娘、そのままポイと世の中に出すわけにはいきません。
透明帯という膜にカバーされ、更に顆粒膜細胞と呼ばれる粒々のボディーガードを5000人引き連れ、精子との出会いの場、卵管膨大部に向かうのです。

 

一方、精子は射精された時点で日本の人口程の数だったのが、酸性で乾いた膣や、内膜の凸凹、白血球にやられ、最後の卵管に辿り着くのはわずか、100万。

それから先、細い卵管を潜り抜け、卵管からの栄養シャワーを受け、一気にゴールを目指す。
距離にして約17センチを1時間~1時間半かけて到着。これは人間にしたら、6時間のフルマラソン!

いよいよ、王子がヘルメットを取り、5000人のボディーガードをかき分け、姫の懐に浸入した瞬間、精子からの電気信号を受け取り、透明帯が他の精子が入れない様に硬くシャッターを閉める。次の精子を絶対に受け入れない、透明帯による卵子の防御反応こそ、受精における卵子の質である。 

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この透明帯のシャッターの精度は、その後受精卵の質に関わっていく。
多精子受精は、正常受精とおなじ様に細胞分裂を繰り返えすが、奇形因子の為に流産に至る。

卵子が一匹の精子だけに出会う。

この大切なシステムが私達を生んでくれたのだ。