妊活では、誰が治療の限界を決めるの? 

 

限界を誰が決めるのか?それはあなたです。

そんな風に言われたとして、いやいや別に決めていませんけど、と言いたくなりますよね。

不妊治療における限界とは、例えば体外受精を繰り返しているのに結果が出ない時に、そろそろ治療のやめ時なのかな?なんていう考えが頭を過ぎることもそうかもしれません。

 

 
□何で限界なのかと言えば、質の良い卵が採卵できないからですよね。
□生理が来た時に、今週期に成長しそうな卵が、そもそも一個も見えない。
□あるいは卵胞が少しずつ大きくなって来たけれど、E2が上がらないうちにLHがサージを起こしてしまい、採卵が中止になったりすることですね。
□あるいは採卵できても、主席卵胞が空砲だったり、成熟卵がなかったり、受精できなかったりと、採卵の度にいろいろな事が起きて、あなたも幾度となくがっかりした事があるのではないでしょうか。
□治療の限界には、悲しみで心が折れる事が大きく影響します。旦那さんと決めたタイムリミットになってしまったり、お互いの意見の対立が鮮明になってしまったり、お金の問題も大きいですね。仕事と不妊治療との環境が変わってしまうことも障害になるでしょう。

 

これでもう、不妊治療をこれ以上続けるのは無理だ!とあなたが決めてしまえば、あるいは投げ出してしまえば、そこでおしまいです。

限界はあなたが定めた瞬間に現れるのです。言い方を変えれば、自分以外には決められないとうことです。

よく考えて頂きたいのですが、このあなたの限界点が、現在の医療レベルの限界点だったとしたら、もう誰にもどうしようもないですよね。

それならあなたは、この不妊治療に対して全てをやりきったと言えるでしょうし、それは賞賛に値することだと思います。

ただ、実際の患者さんを観ていると、医療的限界点まではまだ、沢山出来ることはあるのに、その随分手前で心が負けてしまい、悲しみから治療を手放してしまう方が多いのです。

これは私たちからすると勿体無いし、残念な気持ちが残るのです。あと少しで良い卵が採れて赤ちゃん出会えるかも知れないのに、何故ここで…と思うのです。

限界点の見極めを、感情に任せてしまったのかなという悔いが、私たちにも残ると言えば伝わりやすいでしょうか。

これを例えるなら、ノミの学習です。

あのノミ、動物に引っ付いて血を吸う、小さな虫いますよね。

あのノミを大きなガラスの瓶に入れるのです。

そうするとノミはぴょんぴょん跳ねています。小さな体で1メートル位、飛ぶようですね。

次にもう少し天井の低い瓶に入れます。

そうするとノミがジャンプした時に、低い瓶の天井にぶつかります。そこでノミは学習します。あれ、高く飛んだら、ぶつかって痛いぞと。

そして今度は又、さらに天井の低い瓶に入れます。

そうすると今度は、低く飛んでもぶつかります。あれ、もう飛べなくなって来たぞと、ノミは飛ばなくなります。

最後にもう一度高い天井のガラスの瓶に戻します。

するとノミは、もう飛ばないのです。天井は高いからもっとジャンプ出来るのに。

つまり、虫でさえも自らの体験から限界点を、自分の思い描いたイメージで設定してしまうのです。

もっと視野を広く持ってよく考え、そしてもう一度チャレンジすれば出来るのに。

これは見ている人間からすれば滑稽ですし、「やっぱりノミの限界だよね」で終わりです。でも人間でもこんなこと、ないでしょうか?

不妊治療でも自分で決めてしまった限界点に、あなた自身を当てはめてしまい、飛んでもなく勿体無い大きな選択をしていないでしょうか?

やはり一度冷静になってエキスパートの意見聞き、広くあなたの人生の目標を考慮して、人生の大きな決定をする方が良いのではないでしょうか。

私たちも、それを願ってやまないのです。