実は日本では、高齢出産の傾向は戦前からだった。

お医者様の中には、高齢出産をする女性に対して「あなたの年齢は子供を産むには遅い、もっと早く作ればよかったのに」などと苦言を呈する方もいます。

しかし、史実を知れば「妊婦は若い者」というのは高度経済成長期だけに通用する特殊な感覚であり、昭和の残像に過ぎないことがわかります。

実は、戦前においても、現在ほどではないものの高齢出産はごく当たり前の話で、しかも出生数そのものが多いことから、高齢出産による出生数は現在をはるかに上回る数となっています。

例えば、1925年においては一般定義に基づいた高齢出産(35歳以上の女性による出産)数は42万強人、直近となる2017年の27万弱人の約1.6倍にあたっています。

これは戦前、戦中までの日本においては衛生面や社会インフラ、医療技術の点などで現在と比べるとはるかに死亡リスクが高く、結果平均寿命が短いため、出産が国策的に奨励されたことが要因となっています。

また生物学的、本能の面でも、人口の維持増大のためには健康である限り高齢でも出産するいわば「多産多死」の状態だったのです。

戦後は家庭において白物家電や車をもち、学歴のある子供に育てることがいわゆる普通の幸せの家族の形と信じ求め、それにより子供の数が減り、かつ早婚であったことが重なり、20代での「一括出産」という現象がおこったのです。

高度成長期以降は若年層による出生が減り、その上の世代が増えています。1970年では20代まで7割強だった出生数が2017年では4割切る状態まで減少しています。

つまり、昨今の高齢出産化は晩婚化や医療技術の進歩、社会観の変化が要因となっています。

高齢出産に関しては母親の心身にかかる負担などをふくめ、様々な問題が指摘されています。とはいえ、同時に初婚年齢が高くなっている社会情勢にゆえ、仕方ないとも言えると思います。

もちろん、肉体的には出産にベストな時期は20代であるのは確かです。でも、そのベストな時期にだけ出産することが自然なことではありません。その人によってベストな時期に産むという選択肢があってこそ自然ではないでしょうか。

但し、現実も知っておいて頂きたいのも事実です。

20代と違い、年齢を重ねていくと妊娠しづらくはなってきます。簡単には妊娠できません。

その事を「リアル」として認識していない方も多くいます。それを踏まえたうえで、自分にとって何がいまベストなのかを考え決めていっていただければと思っています。

エルミタージュ鍼灸院では、初産で、他院では難しいと言われた方でも効果の出やすい「不妊専門」の鍼灸治療を行っております。

まずは、お気軽にご相談ください。