妊活の敵は数多かれど、中でも強敵といえるのが「冷え」。

不妊治療の専門家でも「冷え」を取り除くことが妊娠・出産への近道と考えている方が数多くいらっしゃいます。そして、体外受精まで行う最先端の不妊治療専門クリニックの多くが「冷え」をはじめとする諸症状改善を目的に、漢方薬や鍼灸治療などの「東洋医学」を取り入れています。

東洋医学と「冷え」

東洋医学では、人体を機能させる五臓六腑のうち、生殖機能を司るのは「腎」とされています。

ここでいう「腎」とは、厳密に腎臓のみでなく、腎臓をはじめとする泌尿器系や、子宮・卵巣等の生殖器系、ホルモンを分泌する内分泌系など、西洋医学よりかなり広範囲の臓器をカバーしています。この「腎」が「冷え」にきわめて弱いと考えられているのです。

「腎」は、成長や生殖といった主要な生命活動を司っています。「冷え」によって「腎」の機能が低下すると、この生命活動が弱まり、結果、老化が促進すると言われています。恐ろしいですね!

・卵巣は冷えやすい?

人の身体は、心臓から末梢(頭部、手足などの末端はもちろん、他の臓器)へ動脈を通して酸素・栄養・ホルモン等必要な物質を送り届け、抹消から二酸化炭素・老廃物等を、静脈を通して心臓まで返します。

さて、足から心臓に向かって還流するたくさんの静脈の中のひとつに、総腸骨静脈という太い血管があります。卵巣はこの静脈に、ちょうど乗っかるような形で位置しています。ですから、足が冷えていると、卵巣に接したこの静脈の中を、足で冷やされた冷たい血液が通過することに。

結論から言うと、温かい足でいることは、卵巣や子宮を温めることに繋がるのです。

・妊婦さんと「冷え」

首都圏で3000名を調査した、こんなデータがあります。「冷え」のある40代と「冷え」のない40代の比較

【早産】……「冷え」のない40代に対し、「冷え」のある40代は4.3倍多い
【微弱陣痛】……同じく5.2倍
【遅延分娩】……5.7倍

20代、30代でも、妊娠の維持には「冷え」の影響は甚大ですが、年齢が上がるにつれダメージは増大するそうです。年齢を問わず、気をつけたいものです。

百貨店やドラッグストア、家電量販店などでは、冷え対策グッズとして実にさまざまなタイプの商品を見かけます。ぜひ足元から冷え対策を!

【足先を直接温める】

レッグウォーマーや湯たんぽ、靴下の足裏部に貼るタイプ、カイロなど

【食品で身体の中から温める】

ショウガやニンニクなどは、身体を温める性質をもっています。

【おススメ! 効率のよい足ポカ術】

足先が冷たくて眠れない…睡眠時間が減ってしまうだけでなく、睡眠の質にも影響します。そんな事態を避けるためには、お尻~太ももを温めるのがGoodです。

太ももには「大腿動脈」という太い血管が通っており、心臓からの血液を足先まで届けます。嬉しいことにこのエリアは、椅子に座った状態で座面に触れる部位。

座面にあったかグッズを置いて座るだけで、効率的に足先までポカポカしてきます。