不妊治療に効果を発揮する鍼灸。その2

前回は不妊の原因についてお話をさせていただきました。不妊の原因は、大きく分けて身体機能によるものと、原因不明によるものであることがご理解いただけたでしょうか。今回からは実際に、「なぜ鍼灸が不妊治療に効果を上げるのか」という点について詳しくお話ししていきたいと思います。ぜひ不妊治療の際の参考にしてください!

■心身のバランスを整える鍼灸治療

前述したように、不妊の中には明確な原因がない場合や、様々な小さな要因が複雑に絡み合って起こっているケースが多いです。

こうした複雑かつ治療の難しい不妊に対して、鍼灸ではまず副交感神経を活発に働かせ、ホルモンバランスを整えるところから治療を始めます。こうした検査では目に見えにくいホルモンバランスの改善であなたの体を「子供を産みやすい体」へと変えていくのです。

また、鍼灸治療が行っている治療では、鍼を打つだけでなく食生活や生活習慣の改善指導まで多岐にわたります。こうして小手先の治療ではない、からだ根本を改めていくことで不妊を治すのが鍼灸なのです。

■自然治癒力を上げる鍼灸

自然治癒と鍼灸に関係があるの?と疑問に思う方もいらっしゃるかもしれませんが、鍼灸で効果的なツボを押さえることで、あなたの体にもともと眠っている自然治癒力を上げることが出来ます。

この自然治癒とは、大きなけがや病気のみならず、小さな病原菌やストレスにも対抗する力であり、これが弱まっていると体が疲れやすい状態になり、必然的に臓器器官やホルモンの働きも弱まります。こうした体の状態が、「妊娠しにくい体」であることは、前の記事からも分かるように当たり前ですよね。

鍼灸ではこうした身体に元来備わっている治癒力を向上させ、体を健康でいきいきとした状態に回復させます。これが「妊娠しやすい体」の第一歩なのです。

■血流を改善させる鍼灸

体に鍼を打った際に、気持ちいいような少し痛いような感覚を味わったことはあるでしょうか。これは、鍼が打った周りの筋肉に作用し、筋肉を弛緩させている証拠なのです。筋肉が弛緩すると、コリや緊張が取れて血管を締め付けるものがなくなります。すると、体の血液循環が良くなるのです。

更に、良い循環は、体の隅々まで栄養素や酸素を送り届け、冷え症などの改善につながります。鍼灸治療が血液の循環を促進するというのはこういうことだったのですね。

そして、この仕組みは、実は不妊治療と密接に関係しています。というのも子宮周りの器官はとても冷えに敏感なのです。血液がうまく循環していないと、器官周りが冷えてしまい、子宮の機能そのものも低下していますよね。ですから、上記のような鍼灸治療の仕組みが絶大な効果を発揮するのです。

■自律神経を整える!

みなさんは”自律神経”という言葉を耳にしたことがあるでしょうか。これは、交感神経と副交感神経からなるもので、体全体のホルモン分泌を司っている神経といっても過言ではありません。

これが乱れていると、お分かりのようにホルモンバランスが乱れてしまいます。特に不妊に影響するのは「女性ホルモン」と「黄体ホルモン」の分泌です。

女性ホルモンバランスが悪いと、生理不順や無月経、無排卵を引き起こしてしまい、妊娠に重要な周期に大きな狂いが出てしまいます。また、黄体ホルモンは、子宮内の膜を精子が着床しやすいようにしてくれるホルモンであり、一般的に「妊娠を助けるホルモン」とも呼ばれます。

こうしたホルモンバランスの乱れが、鍼灸治療によって大きく改善できるので鍼灸は不妊に効果があるのですね!