卵の質が悪いってどういうこと?

卵の質っていう言葉、よく聞きますよね。でもこれって一体どういう意味なのでしょうか?

 

例えば、古いものはだんだん劣化するという事。人間も年をとるとだんだんシワが増え、髪が白くなって、腰が曲がって年寄りの姿になっていきます。これは見た目でわかりやすいのではないでしょうか。

卵巣や卵胞にも年をとるとシワシワになってくるのでしょうか?

そもそも卵巣をお腹から取り出すこともできませんから、見た目がどうなってゆくのか?見たことはないのですが、機能が衰えてくることは誰にもわかると思います。

卵巣の機能は何でしょうか?

卵巣はその中に原始卵胞という、遺伝子が入った卵をたくさん蓄えています。その卵を精子と受精できる状態にまで、競争させつつ、育て上げる母としての機能を持っています。

第一次減数分裂の一期で寝ているたくさんの卵胞たちが、時期がくるとだんだん起きて来て、二期の分裂に進みます。一回の生理周期に1000個ほど目覚める卵胞達の中から、5ヶ月後に10個程まで選び抜かれた優秀な卵胞達が、その生理周期の主席卵胞となって排卵されるために、最後の競争をします。

14日後にめでたく主席卵胞が一つ排卵されると、その競争はその場で終わり、残りの卵胞達は消滅していきます。排卵された主席卵胞は、その後卵管采にピックアップされて、卵管膨大部で運が良ければ、受精する機会を得ます。

そう、この辺りまで卵胞を貯蔵、成長させるのが卵巣の機能です。そして蓄えられ、成長する卵そのものが卵胞で、卵胞の中にあって大切な子宝であり、育て引き継がれようとしているものがDNA/染色体です。

そのDNA/染色体が、細胞を分裂させて新しい命を作るための設計図なのです。

その設計図(染色体)の書き換えのミスが、年齢と共に増える事が、卵の質が悪いと言われている事の正体です。